10月、明石海峡付近で船の呑ませ釣りに挑戦しました。
(もう12月に突入したっていうのに、いつの話してんだ)
不安だらけでしたが、今回お世話になった船がとても親切に教えて
くれて色々と助かりました。
呑ませ釣りは生餌を針にかけて海中で泳がせ、フィッシュイーター
(肉食魚)を狙う釣法です。
これを船から行うわけですが、そうなるとまず必要になってくるのが
泳がせる「生き餌」です。
どうやって調達するの?用意してくれるの?と呑気に構えていたら
「サビキ仕掛けを持ってきて下さい」と予約時に伝えられました。
そう、出船してから自分で釣って確保するのです。
これが釣れなかったら全くお話にならないわけです。
乗船前に、昨日も同じ船に乗ったというお客さんと話していたの
ですが、17人中5人しか釣れなかったと聞きぞっとしました。
乗船料1万円でボウズ……。
まさか、17人中12人が初心者であるとは考えにくい。
技量もさることながら、いかにこの釣りが運に左右されるかを
物語る釣果です。
「下手したら私もK氏もボウズだな」
と乗る前から変な覚悟が出来てしまいました。
京セラドーム大阪の近く、尻無川から朝6時に出船。
殆ど河口に近い場所で早速アジ釣り大会が開催されます。
自分の釣り座でちまちま頑張っていたら、
「こっち側が釣れるよ!」
と声をかけて頂き、反対側で全員固まってスタッフの方も一緒に
サビキ釣りにいそしみます。
すると、結構な大きさのアジやサバが!
サバは20cm越えています。
ここで飽きるまでアジとサバを釣るだけでも楽しいなぁ、なんて思った程です。
さて、40分程サビキ釣りをして各自の生簀に生き餌が分配されると
後はポイントまでひたすら船が走り始めます。
明石海峡が見えてきました。
今回はメジロ、ハマチ、ブリ、いわゆる青物を 狙って出船しています。
タックルはよく分からないのでレンタルしました。
よって、こちらで用意したのはサビキ仕掛けの他にオモリのみ。
仕掛けも、最寄の釣具屋に胴付一本針が無かった為船で購入。
オモリは80号(300g)です。
底まで一気に落とし、着底したら数メートル程誘い上げて探る感じ。
水深は大体50~60m前後。
こんな感じかいな~とゆるゆるやっていると、早速船の先端側でヒットが。
羨ましいなぁ、しかしあんなでかい魚釣れる気がせんなぁ。
今日はボウズでもええんや、余ったアジとサバ持って帰るんやで~
と妙な諦めムードでやっていたら
ガンッ!
すごい勢いで竿が海面に引き込まれました。
は?と思っているとスタッフの人が「巻いて巻いてー」と。
巻いてと言われても、この力に抗える気がしない。
そうこうする内にフッと軽くなり「ばれた!」と思ったのですが、
不規則に強く引いてきます。
そのうち、船の反対側が騒がしくなってきました。
なんだぁ、おまつりしてたのか……。反対側の人にかかってたのが
私の仕掛けに絡まったんだなぁ。
仕掛けは切って貰っていいや、と緩めて待機してるとスタッフの方が
メジロを持って現れました。私の仕掛けにかかってたと言うのです。
しかし、自分で釣り上げたわけではないのでイマイチ実感が沸かず。
もしかして、常連さんが気を遣って私に譲ってくれたのか?
いやまさか、しかし果たして……と逡巡する内に、再び
ガンッ!
おお、これは間違いない、ストレートに当たった!!
先ほどと同じく、軽くなって巻けるタイミングと引き込まれて全く負けない
タイミングが交互に来ます。巻けるタイミングの時に思いきり巻いて、青物が
反対に引く時はじっと待つ。
わけが分からぬ内にやりとりが進み、水面に白いお腹が見えるや否や、
スタッフの方がタモ入れしてくれました。
生簀には立派なメジロが2匹。
しかしこの時点でK氏は0匹。
アタリすら無く……後半は雨と強い波で続行出来ず、ついに
ボウズのまま終了。
しばし、お通夜の様な空気が二人の間に流れるも帰港の頃には
K氏も何とか明るさを取り戻してくれました。
常連さん達から余ったアジ、サバを貰いクーラーはそれなりに
賑やかになりました。
乗船前にお話ししていた方は、前半さっぱりだった様ですが最後の最後、
80cm越えのブリを釣っていらっしゃいました。私達のメジロも一緒に
絞めて下さり、本当に有難かったです。
夕方6時前に帰宅。
サイズは大きい方で67cm位でした。ギリギリ、メジロと呼べるサイズです。
大きいなぁ!
目がキラキラしています!かっこいい!
期待を胸に、早速お刺身に。
プリプリだ!美味しそう!!
早速口に運び、とてつもない歯ごたえだ!コリコリしている!
と喜んだのも束の間……。
「何か……味がない」
コリコリしているだけで、一切脂がのっていない。
どれだけ醤油をつけても絡まない。
何なら須磨で釣ったツバスの方が脂がのっていた様な……。
臭いとか不味いとかではないんです。とにかく味がない。
一つ思い当たる節があって調べてみたのですが、どうも寄生虫が
原因の様です。
寄生虫がいるブリは大体が通常の倍近い弾力を持ちながらも
大味で水っぽい、味気ない身になってしまうそう。
下の写真でわかると思いますが、捌いている途中、小さい寄生虫を
見つけて取り除いたのです。それがこの部分。穴が空いています。
(仮に間違って摂取してしまっても人体に悪影響はないそうです。
だからって絶対口にしたくないけど)
下は、翌日別の個体を捌いたものです。
こちらは虫がおらず身も比較的白いです(虫入りは全体的に赤かった)。
一日寝かせたせいもあると思いますが、寄生虫入りに比べるとまだ
脂のりしていました。
ちなみに、虫入りは後日ブリ大根や照り焼きにしましたが弾力がすごい
だけで味が一向に滲みていかず何とも味気なかったです。
なんだったら、生き餌の残りで持ち帰ったアジの方が美味しかった……。
虫入りのブリは天然の証と言われるそうですが、ここまで味に差が出る
とは驚きです。
釣り味に食味が伴わなかった事が残念ですが、また大物狙いで船釣りに
行きたいです。
次は、ボウズだったK氏にリベンジしてほしい。